1. ご当地VTuberとは
ご当地VTuber(ごとうちブイチューバー)とは、日本国内の特定の地域に拠点を置き、その地域の文化・観光・特産品などの魅力を発信することを主な目的に活動するVTuber(バーチャルYouTuber)のことです。地域情報の発信を活動の中心にすることから「地域振興系VTuber」とも呼ばれます。地元の自治体・企業・メディアと組んで活動することが多いのが特徴です。 (出典:Wikipedia「ご当地Vtuber」、ja.wikipedia.org / @DIME「地方創生の要となるか?いま最も注目されているご当地VTuber5選」2022年11月27日、dime.jp)
VTuberとは、2Dや3Dのキャラクター(アバター)の姿で動画配信やSNS発信をする人やキャラクターの総称です。ご当地VTuberは、その中で「地元」をテーマにしている人たちを指す呼び方にあたります。公的な資格や登録制度はなく、本人が名乗る、または自治体やメディアが「公認」することで成り立っています。 (出典:Wikipedia「ご当地Vtuber」、同上)
人数の公式な統計はありません。めやすとして、ねとらぼリサーチが2025年4月に行った人気投票では、238人のご当地VTuberが選択肢に挙げられました。 (出典:ねとらぼリサーチ「他県の人にもおすすめしたい『ご当地Vtuber』は?」2025年4月27日、nlab.itmedia.co.jp)
2. ご当地キャラ(ゆるキャラ)・企業VTuber・個人VTuberとの違い
ご当地VTuberは、町おこしのために生まれた「ゆるキャラ」や「ご当地萌えキャラ」の流れをくむ存在です。ただし、着ぐるみやイラストが主体のご当地キャラと違い、声と人格を持って視聴者と直接やりとりできる点が最大の強みとされています。ニッセイ基礎研究所の廣瀨涼氏は、一般のVTuberがエンタメ性を追うのに対し、ご当地VTuberは地元に目を向けるためストーリー性が生まれ、ブランディングしやすいと説明しています。 (出典:@DIME、前掲、dime.jp)
| 比べる点 | ご当地キャラ(ゆるキャラ) | ご当地VTuber | 企業VTuber | 個人VTuber |
|---|---|---|---|---|
| 主な目的 | 地域のPR | 地域のPR | 企業・商品のPR | 本人の表現・エンタメ |
| 主な姿 | 着ぐるみ・イラスト | 2D/3Dアバター | 2D/3Dアバター | 2D/3Dアバター |
| 声・会話 | 基本的に話さない | 話す・配信する | 話す・配信する | 話す・配信する |
| 管理する主体 | 主に自治体・地域団体 | 個人・企業・メディアなどさまざま。自治体が「公認」する例もある | 企業 | 本人 |
| 地域との結びつき | 強い(自治体が設定) | 強い(活動の軸) | 弱い〜中 | 本人しだい |
表の補足:「ご当地キャラ」は「ご当地マスコットキャラクター」の略で、主に都道府県や市区町村、地域団体がキャラクターを設定し、管理しています。「ゆるキャラ」はご当地キャラを指す呼び方として使われますが、有限会社みうらじゅん事務所と株式会社扶桑社の登録商標です。 (出典:生活ガイド.com「ご当地キャラクター」、seikatsu-guide.com)
ご当地VTuberの管理主体は一つではありません。県が自ら運営する例(茨城県の茨ひより)、テレビ局や新聞社が公認する例(中京テレビの大蔦エル、下野新聞社の栃宮るりは)、企業が運営する例(沖縄の根間うい)、個人で活動して後から自治体に任命される例(埼玉の春日部つくし)、町の公認を受ける例(鳥取県江府町のおたね)があります。 (出典:Wikipedia「ご当地Vtuber」、前掲 / 各例の出典は第4章に記載)
3. ご当地VTuberの始まり ― 2017年、清水港から
「ご当地VTuber」という呼び方を最初に使い始めたとされるのは、静岡市清水区の清水港を擬人化したキャラクター「七海波音(ななみ はのん)」です。Wikipediaの「ご当地Vtuber」の項目は、七海波音が2017年に清水港擬人化キャラクター(萌えおこし)として活動を開始し、この呼称を最初に使い始めたとされる、と記しています。七海波音の公式サイトも、2017年に世界で初めて「ご当地VTuber」を名乗ったと説明しています。 (出典:Wikipedia「ご当地Vtuber」、ja.wikipedia.org / 七海波音公式サイト、nanamihanon.net)
七海波音が生まれた経緯は次のとおりです。地域の食をキャラクターで応援する「もえしょくプロジェクト」の公募に130件を超える応募があり、最終候補の6作品がタイで開かれた「JAPAN EXPO in Thailand 2017」で披露されました。そこで約3,000人の投票を受け、グランプリに決まったのが七海波音です。公式サイトでは、2017年9月25日のX(旧Twitter)初投稿をデビュー日としています。 (出典:ご当地キャラカタログ「七海 波音(静岡県 静岡市清水区)」、localchara.jp / 七海波音公式サイト、nanamihanon.net)
背景には2つの流れがあります。1つは1990年代から続く「萌えおこし」(萌えキャラによる地域振興)、もう1つは2016年末のキズナアイ登場以降のVTuberブームです。この2つが合流し、2018年ごろから各地に「地元を盛り上げるVTuber」が現れました。 (出典:Wikipedia「ご当地Vtuber」、前掲)
自治体が自ら運営した最初の例は、茨城県の「茨ひより」です。茨城県は2018年6月28日に起用を公表し、名前は公募(応募2,002件)で決めました。2018年8月3日から県の動画サイト「いばキラTV」のアナウンサーとして活動を始め、「国内初の自治体公認VTuber」と発表されています。 (出典:茨城県 報道発表資料「いばキラTVのアナウンサーとしてVTuberを起用」、pref.ibaraki.jp / MoguLive「茨城県、VTuber起用で約2億4,000万円の効果」2019年4月22日、moguravr.com)
2019年10月1日には、大蔦エル・舞鶴よかと・根間うい・せんのいのりの4人によるご当地VTuberユニット「日本烈島(にっぽんれっとう)」が結成されました。地域をまたいだ横のつながりが生まれた最初期の例です。 (出典:KAI-YOU「大蔦エル」用語解説、kai-you.net)
4. 全国のご当地VTuber(地域別の例)
以下は、公式発表や報道で確認できたご当地VTuberの例です。所属や肩書きは変わることがあるため、確認した時点を添えています。並びは北から南です。
北海道・東北
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鬼霧シアン(北海道釧路市):2020年に活動開始。2023年8月に釧路市から「cool釧路観光大使」に任命され、2025年3月にはVTuberとして初めて北海道観光大使にも任命されました(2026年1月時点)。 (出典:MoguLive「VTuber鬼霧シアン、釧路市の観光大使に」、moguravr.com / 北海道新聞〈道東ふるさとキャラ図鑑〉2026年1月1日、hokkaido-np.co.jp)
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喜多白メム(きたしろめむ)/メムロイロ(北海道・十勝):ボーカルの喜多白メムと、楽曲・映像・企画を担当するPM3による、北海道・十勝発の「田舎応援ソングユニット」。制作に最新のAI技術を使い、音楽と映像を組み合わせた「AI×町おこし」に取り組んでいます。2026年2月のご当地VTuberサミットでは、フジドリームエアラインズとの連携事業「ご当地VTuber地域PRコンテスト」で優秀賞を受けました(2026年2月時点)。 (出典:ご当地VTuberサミット公式サイト「ご参加ご当地VTuberさん紹介」、vsummi.com / ご当地VTuberサミット運営 X 2026年2月22日、x.com)
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久保田まつり(秋田県):秋田竿燈まつりを擬人化した秋田県のご当地VTuber。秋田市をまるごとゲームにしたご当地RPG『秋田市クエスト』の主人公です。2026年9月には、初の演歌「秋田酒ごころ」など新曲4曲を発表しました(2026年9月時点)。 (出典:PANORA「秋田県ご当地VTuber・久保田まつり、新曲を9/12にリリース」2026年9月14日、panora.tokyo)
- 紅井べこ(福島県):福島県会津生まれの、赤べこがモチーフのVTuber。赤べこ発祥の地とされる柳津町を中心に、会津の魅力を紹介しています。2026年2月のご当地VTuberサミットでは、フジドリームエアラインズとの連携事業「ご当地VTuber地域PRコンテスト」で新人賞を受けました(2026年2月時点)。 (出典:福島民報「ご当地VTuberサミット 『紅井べこ』新人賞」2026年2月26日、minpo.jp / しあわせの風ふくしま ローカルアンバサダー、tif.ne.jp)
関東
- 茨ひより(茨城県):茨城県公認。2018年8月から「いばキラTV」のアナウンサーとして活動。活動の継続は毎年3月に県議会で判断され、2023年3月も可決されました(2023年3月時点)。 (出典:MoguLive「茨城県公認VTuber『茨ひより』の活動が県議会で可決」2023年3月25日、moguravr.com)
- 戸定梨香(千葉県松戸市):千葉県松戸市のご当地VTuber。2020年4月に「ご当地アイドル」としてデビューし、VTuberグループ「VASE」(運営:株式会社Art Stone Entertainment、松戸市)に所属しています。クラウドファンディングの達成を受け、2023年6月から1年間、新京成線で地元PRのラッピング列車が走りました(2024年6月時点)。 (出典:PANORA(Art Stone Entertainment 発表)2023年6月30日、panora.tokyo)
- 春日部つくし(埼玉県):2018年から活動する個人のVTuber。2021年7月からのオーディションを経て、同年12月に初代「埼玉バーチャル観光大使」に任命されました。2026年12月に就任5周年を迎えます(2026年9月時点)。 (出典:埼玉県「デジ玉ラリー2024 with 春日部つくし」2024年8月29日、pref.saitama.lg.jp / MoguLive 2021年11月15日、moguravr.com / PR TIMES(埼玉県物産観光協会)2026年9月29日、inside-games.jp)
- 栃宮るりは(栃木県):下野新聞社公認。オーディションを経て2023年12月10日にデビュー。ユニバースプロダクション所属。2025年12月から真岡市のふるさと納税PRに起用されました(2026年3月時点)。 (出典:KAI-YOU 2025年12月19日、kai-you.net / コマースピック 2026年3月24日、commercepick.com)
中部
- 七海波音(静岡県静岡市清水区):清水港の擬人化キャラクター。2017年デビュー。2026年8月から静岡市清水庁舎の総合案内でAIアバターの案内係を務めています(2026年10月時点)。詳しくは第8章。 (出典:静岡市 報道資料 2026年8月3日、city.shizuoka.lg.jp)
- 禰好亭めてお(でぃすこていめてお/岐阜県):岐阜県出身のVTuber。「VTuber講師」を活動の柱に、イベントのMC、専門学校の授業、雑誌の連載コラムなどに取り組んでいます。2023年4月からは、岐阜新聞社のWebメディア「ZYAO22」で連載コラム『めてお先生のVTuberとして生きていく』が始まりました(2023年4月時点)。 (出典:株式会社岐阜新聞社 ニュースリリース(PR TIMES)2023年4月7日、prtimes.jp)
- 越後屋ときな(新潟県):2020年8月デビュー。新潟のグルメ紹介や歌が人気で、三条市のメタバース「バーチャルSANJO」のフォトコンテストにも起用されました(2022年11月時点)。 (出典:@DIME、前掲、dime.jp / テレビ東京(PR)「バーチャルSANJO × 越後屋ときな」、tv-tokyo.co.jp)
- 大蔦エル(愛知県):中京テレビ所属のVTuberアナウンサーとして2018年9月30日に活動開始。2020年9月に名古屋観光文化交流特命大使に任命。2026年6月30日に活動を終了しました(2026年6月時点)。 (出典:KAI-YOU「中京テレビVTuber大蔦エルが活動終了」2026年6月8日、kai-you.net)
中国・四国・九州・沖縄
- おたね(鳥取県):「バーチャル鳥取県のとある伝説の池」出身という設定の、鳥取県のご当地VTuber。江府町公認VTuber、鳥取県公認の「とりたべローカルインフルエンサー」として、X・YouTube・ホームページで鳥取の魅力を発信しています(2026年2月時点)。 (出典:ご当地VTuberサミット公式サイト「おたね さん★鳥取県」、vsummi.com)
- 藁焼とさち(高知県):2020年に活動を始めた高知県出身のVTuber。カツオが頭に刺さって地上に降りた精霊という設定で、土佐弁の配信が持ち味です。四国銀行の若者向け動画にも出演しました。2026年2月のご当地VTuberサミットでは「ご当地VTuber地域PRコンテスト」で最優秀賞を受けました(2026年2月時点)。 (出典:高知家「高知を発信するVTuber『藁焼とさち』を知っているか?」2023年7月、kochike.jp / ご当地VTuberサミット運営 X 2026年2月22日、x.com)
- 舞鶴よかと(福岡県):2018年8月初配信。博多弁で福岡を発信し、地元ラジオ・テレビにも出演。「日本烈島」のメンバーです(2022年11月時点)。 (出典:@DIME、前掲 / KAI-YOU「大蔦エル」用語解説、前掲)
- 根間うい(沖縄県):株式会社あしびかんぱにーが手がける沖縄のご当地VTuber。2019年3月デビュー。2022年時点で県民の認知度66%とされ、2025年には電動レンタサイクルの音声ガイドにも起用されました(2025年12月時点)。 (出典:@DIME、前掲 / 琉球新報(PR TIMES)2025年12月7日、ryukyushimpo.jp)
5. 自治体・企業がご当地VTuberを使うとどうなるか
効果が数字で示された例
茨城県は2019年4月、茨ひよりの活動実績を広告換算で約2億4,000万円相当と発表しました。いばキラTVのYouTubeチャンネルは2019年3月に自治体公式として初めて登録者10万人に達し、茨ひより登場後の9か月で約3万人が新たに登録しました。 (出典:MoguLive 2019年4月22日、moguravr.com)
自治体が実際に使っている用途
- 観光・物産のPR:埼玉県は春日部つくしと組み、県内20か所を巡る「デジ玉ラリー2024」を実施しました。 (出典:埼玉県、前掲、pref.saitama.lg.jp)
- ふるさと納税:栃木県真岡市は栃宮るりはを起用し、楽天ふるさと納税のページへの登場、いちごの試食ライブ配信、都内イベント出演を組み合わせました。ただし、この記事に寄付件数などの数字は示されていません。 (出典:コマースピック 2026年3月24日、commercepick.com)
- 庁舎の案内係:静岡市は2026年8月10日から2027年2月28日まで、清水庁舎1階総合案内で七海波音のAIアバターと自走ロボットによる窓口案内の実証を行っています。静岡理工科大学の学生がAIの学習と検証に参加し、多言語対応の有効性を確かめる内容です。 (出典:静岡市 報道資料 2026年8月3日、city.shizuoka.lg.jp / 株式会社ファーストローンチ「静岡AIアバタープロジェクト」、firstlaunch.co.jp)
- 地域メディアでの発信:岐阜新聞社は2023年4月、岐阜県出身の禰好亭めておのコラム連載を、自社のWebメディアで始めました。VTuber自身が地元メディアに書き手として加わる例です。 (出典:株式会社岐阜新聞社 ニュースリリース(PR TIMES)2023年4月7日、前掲)
AIを使うご当地VTuberの登場
最近は、制作や運営にAIを取り入れるご当地VTuberも出てきました。こうした「AI系ご当地VTuber」を最初に名乗ったのも、七海波音とされています。北海道・十勝のメムロイロは、楽曲と映像の制作にAIを使い「AI×町おこし」を掲げています。七海波音は2026年8月から、AIアバターとして静岡市清水庁舎の案内係を務めています。 (出典:七海波音公式サイト、nanamihanon.net / ご当地VTuberサミット公式サイト、vsummi.com / 静岡市 報道資料 2026年8月3日、city.shizuoka.lg.jp)
なぜ自治体が使うのか
NTT東日本のコラムは、VTuber起用の利点として、若年層に届きやすいこと、商品の訴求力が上がること、集客につながることを挙げています。茨城県も、県の公式PRが届きにくかった若年層への訴求を起用の理由としていました。 (出典:NTT東日本 BizDrive「企業や自治体でVTuberを活用」2026年1月28日、business.ntt-east.co.jp / MoguLive 2019年4月22日、前掲)
向く用途・向かない用途(出典にもとづく整理)
向くのは、継続的な情報発信、若い世代向けのPR、配信やSNSでの双方向のやりとりです。一方で、効果を第三者が検証した資料は少なく、多くの事例は発表元の自己評価にとどまります。ゆるキャラのように着ぐるみで現地に立つ物理的な存在感は、VTuber単体では出せません。 (出典:@DIME、前掲 / コマースピック、前掲)
知っておきたい課題
- 継続の判断:茨ひよりは、毎年3月に県議会で活動継続が判断されます。公的予算で運営する場合は毎年の説明が必要です。 (出典:MoguLive 2023年3月25日、moguravr.com)
- 表現への批判:2021年、千葉県警の松戸・松戸東警察署が松戸市のご当地VTuber戸定梨香を起用した交通安全動画に、全国フェミニスト議員連盟が抗議し、動画は9月10日までに削除されました。この削除には反発も広がり、抗議への署名が6万件集まったと報じられています。 (出典:ゆうちゅら「VTuber起用のPR動画、フェミニスト議員連盟の抗議で削除」、yutura.net / 日刊ゲンダイ「Vチューバーをめぐる『フェミニスト議連』の抗議に署名6万件」、nikkan-gendai.com)
- 活動の終わり方:中京テレビの大蔦エルは約8年の活動を2026年6月末で終了しました。企業やメディアが運営するキャラクターは、運営側の判断で終わることがあります。 (出典:KAI-YOU 2026年6月8日、前掲)
6. ご当地VTuberの作り方・始め方
1)公募・オーディションで選ぶ
自治体やメディアが始めるときは、公募やオーディションを使う例が多くあります。茨城県は名前を公募し、2,002件の応募から決めました。埼玉県は2021年7月からオーディションを行い、初代大使を選びました。千葉テレビも2025年8月22日から「チバテレ公認 千葉県ご当地VTuber」を公募しています。条件は18歳以上の女性で2年以上活動できることで、書類審査、オンライン面接2回、配信の模擬テストを経て選ぶ流れでした。 (出典:茨城県 報道発表資料、前掲 / MoguLive 2021年11月15日、前掲 / MoguLive「チバテレ、千葉県ご当地VTuberを公募」2025年8月22日、moguravr.com)
2)権利を契約で決める
キャラクターの画像や3Dモデルの著作権は、原則としてそれを作った人に帰属します。キャラクターという「概念」そのものには著作権は生じず、具体的に作られたイラストやモデルに生じます。事務所や発注元に権利を移す場合は、契約書で明確にしておく必要があります。デザイン、モデル、動画、名前、演者の権利と使える範囲は、始める前に文書にしておきましょう。 (出典:モノリス法律事務所「VTuberの著作権」、monolith.law)
3)運営体制をつくる
運営の形は、自治体直営(茨城県)、放送局・新聞社の公認(中京テレビ、下野新聞社、チバテレ)、企業運営(あしびかんぱにー)、個人運営+自治体任命・公認(春日部つくし、おたね)に分かれます。静岡市の庁舎案内の実証では、市、大学、港湾振興会社、AI開発会社が連携し、学生が学習データの検証を担う体制が組まれました。 (出典:各例の出典は第4章 / 静岡市 報道資料 2026年8月3日、前掲)
4)費用感
公開されている費用の情報は限られます。埼玉バーチャル観光大使には活動費100万円が支給される予定と報じられました。七海波音の公式ガイドラインは、商用利用の目安として、広告でのイラスト使用はWeb・SNSで1点3万円から、PR動画は1本5万円から、イベント出演は1回5万円から(いずれも税別)と公開しています。地域の非営利イベントや清水・静岡の地域振興につながる取り組みは基本無料とされています。 (出典:MoguLive 2021年11月15日、前掲 / 七海波音 利用ガイドライン、nanamihanon.net)
5)横のつながりに参加する
2025年2月1〜2日、全国のご当地VTuberが集まる「ご当地VTuberサミット」の第1回が静岡市清水区の清水マリンターミナルで開かれ、55人のご当地VTuberが参加しました。主催は清水ドリームワークスです。第2回は2026年2月22〜23日に同じ会場で開かれ、約40人が参加しました。経済産業省関東経済産業局、デジタル庁、静岡県、静岡市などが後援しています。 (出典:蘭茶みすみ note「ご当地VTuberサミット登壇」、note.com / 静岡新聞DIGITAL 2026年2月23日、news.at-s.com / ご当地VTuberサミット公式サイト、vsummi.com)
7. よくある質問
Q1. ご当地VTuberとゆるキャラは何が違いますか?
ゆるキャラは着ぐるみやイラストが主体で、基本的に話しません。ご当地VTuberはアバターの姿で声を出して配信し、視聴者と直接やりとりできます。管理する主体も、ゆるキャラは主に自治体ですが、ご当地VTuberは個人・企業・メディアなどさまざまです。 (出典:@DIME、前掲 / 生活ガイド.com、前掲)
Q2. ご当地VTuberは全国に何人いますか?
正確な統計はありません。ねとらぼリサーチが2025年4月に行った人気投票では、238人が選択肢に挙げられました。 (出典:ねとらぼリサーチ「他県の人にもおすすめしたい『ご当地Vtuber』は?」2025年4月27日、nlab.itmedia.co.jp)
Q3. 最初のご当地VTuberは誰ですか?
「ご当地VTuber」という呼び方を最初に使い始めたとされるのは、2017年にデビューした清水港の七海波音です。自治体が自ら運営した最初の例は、2018年の茨城県「茨ひより」です。 (出典:Wikipedia「ご当地Vtuber」、前掲 / 茨城県 報道発表資料、前掲)
Q4. 自治体がご当地VTuberを使うと、どんな効果がありますか?
茨城県は茨ひよりの活動を広告換算で約2億4,000万円相当と発表しました。若年層への訴求、ふるさと納税のPR、庁舎の案内係などに使われています。ただし第三者による効果検証は少なく、発表元の自己評価が中心です。 (出典:MoguLive 2019年4月22日、前掲 / 静岡市 報道資料、前掲)
Q5. ご当地VTuberを起用したいときは、どこに相談すればよいですか?
各VTuberの公式サイトや運営元の窓口に連絡します。七海波音の場合は、公式サイトの「入港申請書」から相談でき、公開日の2週間前までの申請が求められています。 (出典:七海波音 利用ガイドライン、nanamihanon.net)
8. 七海波音について
七海波音は、静岡市清水区の清水港を擬人化したご当地VTuberです。2017年に約3,000人の投票で生まれ、同年9月25日にデビューしました。世界で初めて「ご当地VTuber」を名乗ったとされています。2019年には全国ご当地応援萌えキャラグランプリで総合グランプリを受賞し、清水港開港120周年記念サイトのイメージキャラクターを務めました。2026年8月からは静岡市清水庁舎の総合案内でAIアバターの新人案内係に就任しました。毎年2月に清水マリンターミナルで開かれる「ご当地VTuberサミット」にも関わっています。権利の管理と問い合わせ窓口はmakidai合同会社が代行。肩書きは、自治体の公認ではない「非公認」のご当地キャラクターです。 (出典:七海波音公式サイト、nanamihanon.net / ご当地キャラカタログ、localchara.jp / 七海波音公式サイト 年表、nanamihanon.net / 静岡市 報道資料 2026年8月3日、前掲 / 七海波音 利用ガイドライン、nanamihanon.net)
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